妻が長男を出産する時に経験した「常位胎盤早期剥離(ソウハク)」について、夫である私の目線から語ります。
1人めは【ソウハク】だった。
【常位胎盤早期剥離】=【ソウハク】。
珍しい疾患ではあるが、妊婦さん誰もがかかるかもしれない疾患。
いつやってくるか分からない、予測できない疾患。
長男出産時に【ソウハク】を発症し、長男は1分ほど呼吸がなく仮死状態で生まれました。危険な状態でしたが、母子ともに何とか無事でした。私は仕事中で職場で連絡を受け、すぐにクリニックへ向かいましたが、前日からの怒涛の急展開に気持ちがついていかず、その時の心臓の鼓動を今でも忘れません。
我が子の母子手帳には、点数がついていました。
1人目の母子手帳には、「アプガースコア 6点 8点」等と記入された用紙が貼られていました。この点数は何なのでしょうか?
アメリカの医学者バージニア・アプガー氏が提唱した、生まれた赤ちゃんの状態を点数化して評価した指標です。産まれた時の赤ちゃんの元気度を知るものと言ってもいいと思います。
1分後の赤ちゃんの状態、5分後の状態を点数化します。評価項目は、「皮膚の色」、「心拍数」、「刺激に対する反射」、「筋緊張」、「呼吸」の5つの項目があり、それぞれの項目で0~2点の点数を付け、合計が何点なのかで評価します。10点が満点となります。
10~7点が正常状態、4~6点は第1度新生児仮死(軽度仮死)、0~3点が第2度新生児仮死(重症仮死)となります。
我が子の場合、6点 8点と記載されていたので、1分後が6点、5分後が8点となります。
体験談にも書きましたが、1分程度は呼吸が無かったと医師が言っていたし、アプガースコアも6点と記載されているので、出産直後は仮死状態だったということです。
アプガースコアが記載されていないけど??
2人目は帝王切開で無事に生まれたけど、何点なんだろう?と思って母子手帳を見てみました。
何にも記載がありませんでした。記載がないけど、これは大丈夫なの??と思いました。
調べてみると、母子手帳に記載されない場合もあるそうです。カルテ等には記載する必要があるそうですが、母子手帳には必ず記載しなければならないわけではないので、病院の方針により記載しない場合もあるそうです。2人目の時は、大きなトラブルなく出産したので、記載もされなかったのかもしれません。
生まれた直後は仮死状態だったと聞いて…
生まれた直後は仮死状態だったと聞いた時、頭によぎったのは、何か後遺症や障害が残るのかなと思いました。
その一方で、命が助かった、しかも母子ともに命が助かって良かった、それだけで十分という気持ちもありました。
こどもの力は、医学でも予測できないことが起こる場合があります。後遺症や障害が残るだろうと考えられていても、全く後遺症や障害が残らずに成長することがあります。それを信じようと思いました。
妻の友人も、持病を抱えていたり様々な事が原因で、胎児が1000㎏に満たない状態で生まなければならない状況になりました。その時も、超未熟児(超低出生体重児)なので、後遺症や障害が何らか残るでしょうと言われていましたが、幼稚園に通う年齢になっても特に後遺症や障害はなく、元気に走り回って過ごしています。
ママの身体と気持ちを第一に。
1人目が生まれたからといって、パパや祖父・祖母など周りは、2人目(次)のことを急かさないように。私の母親・父親も『次(2人目)は?』と尋ねてくることがありました。妻には2人目のことを言わないように、私は母親・父親に言いました。
無事に生まれたからと言っても、ママの身体は相当なダメージを負っています。身体が元気なママさんもいるかもしれませんが、心身共にダメージを負ったり、産後うつもあるので、その状態で次の子のことを言ってこられるのは辛いと思います。
更に【ソウハク】を経験したママは相当なダメージを負っています。
私達自身【ソウハク】を経験したから、【ソウハク】を経験した方々の体験談をよく読ませていただいています。特に死産に直面された方のブログを拝見すると、今でも涙が止まりません。
ママの身体と気持ちを第一に考えて欲しいです。
ママの気持ちが、次へ向かうまで待って欲しいと思います。
受け止めること、受け入れること、それが大事だと思います。
もし、気持ちが次へ向かわなかったとしても受け入れて欲しいし、
寄り添って欲しいと思います。それぐらい、身体と気持ちに相当なダメージを負っているのです。
1人目出産当時、私自身、妻にしっかり寄り添えたかどうか分かりません。不十分だったなと、今でも心の中に引っかかったままです。自分への反省も込めて書いています。
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出産は奇跡
『出産は奇跡』
自分達が【ソウハク】を経験したから、余計にそう感じています。医療が発達しているし、安全に問題なく産めるもんだと思っていました。でも全く違っていました。
命が生まれること、それは奇跡だし、その命を積み重ねていくことも奇跡。
生かされていることに感謝。今日生きられることに感謝。ありがとうの気持ちを忘れずに。自戒を込めて。
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